今回は、内装業者様からのご依頼です。
マンションのお部屋と共用部が連動しているタイプのカギですが、現存するカギがすべてコピーキーで、純正キーに刻印された番号が不明になっていました。
鍵業界では、各お部屋のカギがオートロックや通用口、ゴミ置き場などの共用部のカギを操作できるシステムのことを「逆マスター」と呼びますが、このシステムをメーカーに問い合わせて特定するための基本情報として、シリンダーや錠前の仕様、カギの番号、物件の住所と建物名(場合によっては部屋番号も)が必要となります。そのためカギ番号が全く分からないと、問い合わせの段階でいきなり躓くことになるのです。
1棟1オーナー様の物件であれば、他のお部屋(ちゃんと部屋番号は伏せてもらいます)や過去に使った古いカギの番号がすぐに貰えるので全く問題ないのですが、分譲マンションの場合にはそれぞれオーナーが異なりますので、簡単にほかの番号が手に入りません。管理会社に事情を話して協力してもらえれば共用部専用キーの番号を教えてもらえたりするのですが、拒否されると区分所有者のオーナー様を通じて管理組合に働きかけてもらい、管理会社の担当者にカギの番号を開示してもらう…という非常に面倒な手順を踏まなければならないのです…。
今回は、不動産仲介業者がきちんとカギの預かり証を発行していたので、調べてもらって事なきを得ましたが、カギの管理はしっかり行った方が色々と良いと思います。
ちなみに先ほど「逆マスター」のことを書きましたが、一般の方がよく「マスターキー」という単語を使います。これは業界的には「純正キー」を指している言葉で、「マスター」というと、私たちがパッと思い浮かべるのは、マンションを1棟持っているようなオーナー様が持つ、すべてのカギ穴を操作できるカギのことになります。
「逆マスター」→ 各お部屋のカギで、共用部分のカギ穴が操作できる。もちろん各お部屋のカギはそれぞれのお部屋の専用。
「マスター」 → マスターキーで、共用部も各お部屋も対応したすべてのカギ穴を操作することができる。
という感じになります。
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