管理会社さんからのご依頼です。
ご入居者様から、扉が勢い良く閉まるようになって、調整しても直らず油が漏れてきたという内容です。よくあるパターンで、古くなると油が漏れたりエアが嚙んだりして、正常に動作しなくなるトラブルが発生しますが、今回はブレーキがかからない症状ですね。
これは設置してから年数が経っていれば、ほぼ確実に劣化が原因になるので、修理などでは直らず交換するしかなくなります。今回は私が現地調査をしていませんが、見に行ってくれた人がきちんと複数の角度から撮影しつつ欲しい寸法を測ってきてくれたので、部材をすぐに特定することができました。ありがたいことです。
手持ちにはなかったのですが、建材屋さんには在庫があったので翌日には入荷し、ご入居者様と相談して訪問してきました。同じメーカーで型式も同じ製品です。各部のビスピッチも同じなので、なんの加工もなく作業はラクチンですね!毎回こうだと良いのですが、廃業してたり事業撤退しているメーカーや、現存するメーカーでも廃番になって交換には大なり小なり加工が必要になることもあります。それほど頻繁ではないのですが、きれいに仕事をしようとすると意外と難しい厄介な現場もあったりしますね。
ちなみに、某メーカーが出している、色々なクローザーから交換できるという製品がありますが、これは決して万能ではありません(メーカーも万能とは言ってない)。ちゃんとホームページや製品についてくる説明書にも、こういった寸法のところには付きますよ!的な案内がされている商品なので、合わないところに付けると壊れたり外れたり危ないこともあります。過去に何度も他社さんで交換した現場でちゃんと付けられているか心配だと言われて見に行ってみたら、扉が閉まりにくく思いっきり力を入れないと開いてしまうとか、内装工事が終わって入居者が引っ越して間もなく外れてしまっただとか、そういう案件ではたいていこの製品が使われていました。ビス穴加工せずに付けられるのがウリですが、それも条件が合っていればの話。
どれも現場に合わないのに無理やりつけてしまったがために起きていることで、製品自体が悪いわけではありません。施工する側がもっと勉強しなければいけないのですが、けっこう簡単に考えている業者さんも多いんですよね…。ドアクローザーって意外と重いので、もし施工不良で外れて上から落ちてきたら危なくないですか?って私は思いますけど。
ちなみに私はこの製品をほとんど使いません。扉って開け閉めの際に微細な振動が発生するので、ビスが緩みやすいんですよね。そこにビスの数が多く、かつ短いビスがいくつも使われているこの製品は、その他の製品に比べるとトラブルが出やすいんです。加工できるなら、最初からちゃんと適合する製品をチョイスしてお客様に提案すれば、お互い余計なリスクを負わずに済みます。
もしドアクローザーをご自身で交換しようと思われたら、まずは今のビス穴がそのまま使える同型品を探してみてください。北海道にドアクローザー通販の会社さんがあって、そこだと写真を送ったりすると、この商品だという感じで選定してくれたりします。実は私も過去にサッシメーカー向けのOEMが付いていて、どうしても穴や跡が隠れるようにしたい現場があって、自分でも探して見つけたのですが自信が持てずに相談したことがあります。その時はちゃんとそこで購入しましたよ!(笑)
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